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★中国版BEFORE&AFTER★

みなさん

こんにちは。

日本の「大改造劇的ビフォーアフター」という番組ご存知の方は大勢いると思います。しかし、中国でもこういう番組は数年前から放送され、大反響でした。『大改造 劇的ビフォーアフター』と『ドリームハウス』を足して2で割ったような番組タイトルの『夢想改造家』。先日、日本人建築家が登場したシーズン3の放送がありました。

こちらがリフォーム対象のお宅です。↑↑↑
北京の二環内という超都心部にあります。東京でいえば、山手線の内側といった感覚
でしょうか。しかし、リフォーム対象はこの立派なレンガ作りの建物ではなく、手前
の横川の釜めしのフタみたいに見える部分。
レンガ作りの建物の外壁と塀の間にあるこの謎の空間。「これって違法建築なんじゃ
あ……」と中国の視聴者からも声が上がっていましたが、番組スタッフによると、違
法じゃあないのだそうです。しかし、違法じゃないのが不思議なくらいのレベル。こ
こに、依頼主の一家は、両親、娘夫婦、孫の三世代が生活出来る空間を作ってほしい
というのですから、びっくりです。
こうした古い建物は、給水や排水といった都市インフラの設備が不十分で、トイレや
浴室が作れないなど、住宅として使用するには根本的な問題があります。正直、北京
のこういう建物の設備は、江戸時代の長屋とあまり変わらないレベル……。
手前左手がこの家のキッチン部分。
上の写真で「厨房」と書かれた部分です。
レンガ作りの建物と塀に囲まれた空間ですから、二箇所の入り口付近以外、
採光は望めません。水道は使えますが、下水設備が不充分なため、トイレ
は通りの公衆便所を使っています。
こうした古い建物のある一帯の再開発にはいろいろと難しい問題があるよう
です。大金持ちが個人で改築したり、大手ディベロッパーによって昔の趣を
留めたままインフラが整えられ、商業施設やオフィス、高級住宅のあるエリ
アに再開発された例もありますが、一等地にありながら貧民窟のような体を
なしている所も少なくありません。首都北京でこういう住宅に住んでいる人
がまだ少なからずいるのです。
そういえば上海にもこうした一帯がまだありました。こういう所で暮らして
いるのは、多くが地方から出稼ぎにやって来た人達でした。古い建物は都心
でも家賃が安いので、都心に仕事場がある美容師やマッサージ師、阿妈と呼
ばれるお手伝いさんが住んでいました。場所は一等地ですが、とにかく古い。
トイレ、お風呂、キッチンが共同で、電気設備や衛生面からいえば、劣悪な
部類の住居でした。
しかし、北京や上海の都心ではある理由によりこうした古い住宅が、たとえ
猫の額ほどの面積しかないようなところでも、高値で取り引きされています。
最近は貴族学校と呼ばれる私立もありますが、中国の小中学校は基本的に学
区制の公立。そして、公立のいい学校は大抵、都心部にあります。どんなに
狭い家でも、そこに住所を移せば、学区内になりますから、“学区房”と呼ば
れる評判のいい学校のある学区内にある住居は、高値で取り引きされるので
す。
今回の依頼主の若夫婦も北京郊外のマンションに自宅があるのですが、子供
が学齢に達した時に備え、両親が住む都心のこの古い家を将来の学区房にし
ようという腹づもりのようです。
 
建築家のリノベーション案。塀に面した側を動線として残し、上部に天窓を設け
採光し、レンガ作りの建物の壁側に二層の居室部分を作る計画です。外の公衆便
所につながる下水管を設置してトイレも作ります。
しかし、途中で問題発覚。

この家の壁、日本の築地塀と同じ作りなのですが、長年の雨水で塀の中の
土が膨張して、崩壊寸前でした。
結局、リフォームというより、構造体をいじることになってしまい、もう
一から立て直した方がいいんじゃないかというレベルの案件でしたが、紆
余曲折を経て、美しくリフォームされたアフターがこちら。↓↓↓
↓構造体に手を入れたので、やはりそこに一番費用がかかっていました。
(日本円で約400万円)

そして、この大変な案件を担当した建築家は、この番組の前のシーズン

でブレイクした青山周平さんという方。

「レスリーチャンに似てる」とそのイケメンぶりも手伝い、アイドル
的人気です。
しかし、その人気の一番の理由は、丁寧な仕事ぶりと案件への熱意だと
思います。リフォーム案を考える前に依頼主のライフスタイルを知る為、
依頼主の家に一泊させてくれと単身乗り込むのが彼のスタイルで、始め
は戸惑う依頼主一家も一日一緒に過ごすうちに、いろいろ話をしてくれ
るようになるのです。青山氏のすごいところは、全て自分で中国語で交
渉してしまうところ。北京在住十数年だそうで、専門用語は当然問題な
く、外国人として中国人にわかりやすく中国語を話すことに慣れてらっ
しゃる。発音や言い回しが日本人的な部分もありますが、ご自身で仕事
をする上で全く差し支えのないレベル。専門知識と仕事への熱意、堪能
な語学力。こういうところが中国人視聴者に受けているのだと思います。

やはり日本人のデザイナーや建築家は海外で活躍していて格好いいです。

わが社も海外進出しますかぁ~ と言いたいところですが。。。。。

というわけで、また次回のブログをご覧になってくださいね。

 

 

スタッフDでした。