みなさん
こんにちわ
今日は隣国の中国の建築
現場の話をしましょう。
高層ビルが立ち並ぶ上海
の中に、昔からの生活が
残る味のある旧市街があ
る。ぼくはそこが好きで
ある日もまたなんとなく
歩いていたら、建物の修
理を行っていた。よくあ
る光景だ。
でもそのよくある工事現
場を、通り過ぎないでよ
く凝らしてみたら、味が
あって、面白くてたまら
なくなった。建物ネタは
ありふれた建物を立ち止
まって見直してからはじ
まると改めて思った。
ひょっとしたら遠方から
でも面白そうと思った読
者もいるかもしれない。
もっと近くからなめ回す
ようにアートっぷりを見
せつけたい。
伏見稲荷にいるかのような空間
工事をするからには、モノ
がパラパラと作業中に落ち
るだろう。だから工事現場
は入れない、それがぼくら
の常識かもしれない。
しかし上海の旧市街では違
った(中国各地で違うかも
しれない)。工事現場の下
にもいつも通りの生活が
あった。
隠すことなく堂々と竹が使われている。
その下にいつも通りの生活がある。
中を歩くと鳥居の下を歩くような感覚。
しかもそこに生活臭がある。
犬の散歩もあれば自転車
も通る。こんな風景は常
識外ではないだろうか。
アパートの敷地をのぞくとそこにも足場が!神々しい。
「注意安全」の看板や消火器が等間隔に置かれていて
安全にも配慮。
「禁止攀登」という「登り禁止」の標識も。
下をみると竹が柱と成り立っている。不思議な光景だ。
これが明日を支えている
と思うと感慨深い。
よく見ると縛っているひもがずれ落ちている。
よりづくりを注意してみるといろんな発見がある。
重さが足りないからレンガがついている。
壁によし、おもしによし、レンガは万能アイテムだ。
見上げてみよう、工事現場を
東京スカイツリーでも通天閣でも、高さがある建築
物は上を向いて、おおーっと唸るだろう。この工事
現場もしかり、ただ通り抜けたり、つくりや装飾品
(アクセサリ)をみるだけでなく、上を向いてこそ
価値がある。上を見ると竹でできた足の踏み場のス
キマから木漏れ日が差してくる。
芸術的な竹アート。
そして電信柱との夢のコラボを下から眺める。
骨組みを作ってるところだろうか。そこから上を
眺めるのも見慣れない光景だ。
長さに統一感がなく、原材料をそのまま使うようだ。
出る杭のなにが悪いのか。
下から見上げる。金属と違い、それぞれ材料に個性が
ある。世界に一つだけの竹。
このクオリティにして合格なのです!
私が受けた感動は伝わっただろうか。
建築物がある限り工事があり、工事現場
はある。日本だと安全のために壁ができ
ていて入れないが、入れないところに何
ともなしに入ったときに、一歩たちどま
って周りを見回すと発見がある。かくい
うぼくも何年も町歩きして、今になって
気づいて面白くてしょうがなくなったの
だから、自分に言い聞かせて今後もアン
テナを立てていきたい。
日本では工事現場は入れないが、いつも
使っている机や椅子の下に潜って、下か
ら机や椅子や景色をチェックすると新しい
世界が見えてくる・・・かもしれない。
高層ビルが並ぶ表通りではなく、裏の庶民
の通りに面白いものがある。椅子や机も上
や横から見る表面ではなく、普段見ない裏
側をみると面白い発見があるといいな。
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